バレーボール中継で、ラリー中に突然反則を取られているシーンを観たことはありますか?
そこで審判がピースサインをしたら、二回連続でボールを触れてしまう「ダブルコンタクト」という反則です。
二回連続で触れたら反則なのは分かるけど、中継を観ていると疑問も出るはずです。
- 普通にトスを上げているように見えるのに、なぜ反則なの?
- 判定で熱くなる海外の選手ですら抗議しないのはなぜ?
ということで今回は地味によくある反則、ダブルコンタクトについて解説します。
ルールブックより
ダブルコンタクトに関する記述ですが、ルールブックでは少な目です。
9.1.1 連続的な接触
1人の選手はボールを2回続けてヒットすることはできない。
※公益財団法人日本バレーボール協会 2020年度版 バレーボール6人制競技規則
と書いてありますが、実は2回触っても許される場合があります。
確認しましょう。
2回当たってもOKな場合とは?
9.2.3.2 チームの最初のヒットでは、1つの動作中であれば、ボールは身体のさまざまな部分に連続して接触してもよい。
※公益財団法人日本バレーボール協会 2020年度版 バレーボール6人制競技規則
レセプションやディグなどの一発目は、連続で当たっても反則になりません。
例えばサーブが肘・腕と同時に当たっても反則ではありません。
ダブルコンタクトとは?
となるとダブルコンタクトは二回目以降のヒットから適用されるということになります。
9.3.4 ダブルコンタクト
一人の選手が連続してボールを2回ヒットすること。
またはボールが一人の選手の身体のさまざまな部分に連続して触れること。
※公益財団法人日本バレーボール協会 2020年度版 バレーボール6人制競技規則
ここまで見ると、ダブルコンタクトのルールは簡単です。
例外も分かりやすく、単に2回触れなければいいだけなのですから。
それでもVリーグはもちろん、国際試合ですら1試合に1~2回は発生します。
実はオーバーハンドパスの「同時に触れる」は、意外に難しいのです。
オーバーハンドパスの難しさ
片手トスの話は除き、両手でのオーバーハンドパスについて解説します。
オーバーハンドパスは両手で同時に触れる必要があります。
失敗すると二度触れることになるので、ダブルコンタクトとなります。
オーバーハンドの失敗例
両手で同時に触れることができれば、問題ありません。
しかしタイミングがずれてしまうと、二度触れることになります。
例えばこんな感じです。
とはいえオーバーハンドの動作なんて一瞬です。
にも関わらず、なぜ反則だと分かるのでしょうか?
失敗がなぜ分かるの?
ダブルコンタクトの反則を取られた選手が意外におとなしいと思いませんか?
というのも近くで見ればすぐに分かるからです。
おかしな方向に飛ぶ
オーバーハンドは両手同時に触れないと、思い通りの方向に行きません。
そのため自分は当然、周囲の選手や審判もハッキリ分かります。
テレビ中継では分かりづらいのですが、その場では一目瞭然です。
だとしても、プロの選手がなぜダブルコンタクトをするのでしょうか?
ダブルコンタクトの原因
ダブルコンタクトになりやすい状況をまとめてみました。
高すぎるボール
高く上がったボールをオーバーハンドで取ろうとすると、失敗しやすいです。
高いところからボールが落ちると質量が大きくなるので両手同時に触れようとすると、その重さに負けてしまいダブルコンタクトとなります。
チャンスボールを高く上げて返すのは、オーバーハンドでセッターに渡すことを防ぐことと、アンダーハンドで取らせてミスを誘う狙いがあるからです。
微妙に高いカット
特にセッターにあるパターンです。
両手でジャンプトスをするつもりが微妙に届かず、同時に触れることに失敗してしまうのです。
「ジャンプを頑張ればトスできそう?」という微妙な高さにボールが来た場合にありがちです。
反射的にやっちゃうんですよね~。
慌てる
例えばチームメイトのディグが意表を突いて自分の方に飛んで来て、それをオーバーハンドでトスしようとした時。
慌ててしまい両手同時に触れることに失敗することも。
これ、意外にありがちです。
私がダブルコンタクトする原因はコレと言ってもいいくらいです。
ボールがすべった
オーバーハンドパスをしようとして、ボールがすべった!もあるあるです。
汗の出る時期にラリーが続いてボールが濡れてくると・・・
さいごに
トップ選手ですらやってしまうダブルコンタクト。
経験の少ない方だと、なおさらです。
そのため週末バレーボールで楽しむレベルだと、厳しく取らずにプレーを続けてしまいます。
しかしそれに慣れると公式戦での判定が甘くなります。
そのため「楽しむバレー」では反則にせず流すにしても、「これはダブルコンタクトだ」と意識するようにしています。
審判の場合、反則ひとつで流れが変わることもあるので慎重かつ毅然と判定したいものです。
テレビ観戦での場合は
「あーーー、仕方ないよねー」
と長い目で見てあげましょう。