バレーボール6人制のリベロって、後衛で守備専門で、好きに交代できるだけでしょ?
と思っていました。
ところがルールブックを見たら、何と1章かけて説明されていました。
守備専門という縛りがあるので、だからこそしっかりと定義する必要があるのですね。
ルールを読んで、言葉で定義する難しさを実感しました。
ここでは、リベロに関するルールと、リベロの交替状況を記録する「リベロコントロールシート」の書き方も解説していきます。
【19.3】リベロの関わる動作
まず知っておくべきルールからチェックしましょう!
後衛のみ入れ替え
後衛=バックプレーヤーの選手であれば、リベロは誰とでも入れ替え可能です。
攻撃とその補助(スパイク、トス、ブロックなど)は反則
リベロは後衛のみで守備専門なので、攻撃と「その補助」は禁止です。
どんな動作が反則なのか、確認しましょう。
スパイク
「リベロのスパイクは反則!」は、すぐに分かりますよね?
でも実は、片手で打ったら必ず反則ではありません。
いかなる場所からでもボール全体がネット上端より高い位置にあるときは、アタックヒットを完了することは許されない。
公益財団法人日本バレーボール協会 2023年度版 バレーボール6人制競技規則
つまり、ネットよりも高い位置でスパイクを打たない限り、反則ではありません。
サービス、ブロック、またはブロックの試み
リベロがサーブ、ブロックをしたら反則です。
しかしブロックの試みもダメなのは知りませんでした。
スパイク打つときに、リベロがブロックのフリしたら紛らわしい。
なので、ブロックのフリも攻撃の試みと解釈されても当然かな?と思っています。
オーバーハンドでのトスはバックゾーン限定
リベロがフロントゾーン(=前衛)でオーバーハンドをすること自体は反則ではありません。
そのボールを別の選手が(ジャンプして)ネット上端より高い位置でスパイクを打ったら反則です。
そう、バックゾーン(=後衛)からジャンプして、フロントゾーンの上でのトスをした場合、スパイクを打ってもOKなのです。
アンダーでのトスならOK
あくまでフロントゾーンでのオーバーハンドトスだけが反則なので、アンダーハンドでのトスはどこからでもOKです。
・・・
アンダーハンドのトスで、速攻とかコンビをやるリベロが出てきたら、どうなるのでしょうね?
やっぱりそれも反則にしちゃうのかな?
リベロの入れ替え回数やタイミングは?
回数制限なし
通常の選手交代は2回までですが、リベロの交代は制限ありません。
入れ替え対象
入れ替わった選手か、別のリベロ(セカンドリベロ)です。
サーブ時はアクティングリベロが入り、レセプション時はセカンドリベロが入るということもできます。
違う人と交代したら反則!
別のリベロや入れ替わった選手以外と入れ替わると、不法な選手交代と見なされて罰則が適用されます。
そんなことないと思いました?
でも実は、私がいたチームのリベロがやらかしたので・・・
タイミング
セット開始時は、副審によるスターティングラインアップの確認後、交代が可能です。
ゲーム中は、アウトオブプレーの状態で、サーブのホイッスルが鳴る前までに交代する必要があります。
交代が遅れたら?
ホイッスル後にも交代が終わっていない場合も反則ではありませんが、遅延行為を取られる可能性があります。
【19.1】リベロの指名
リベロは2人まで
12人のメンバーに、リベロを2人登録できます。
ただし、大会によって登録人数が変わる点に注意!
世界選手権では14人
世界のシニア大会では、12人+リベロ2人が認められています。
例えば2018世界選手権の男子メンバーを見てみると12人+リベロ2人です。
2人のリベロを使いこなす
試合中、リベロは1人しかコートに立てません。
2人いる場合、どちらかをコートに立たせることができます。
自チームがサーブの時にはディグに強いリベロを、サーブカットではレセプションに強いリベロを、という使い分けができるのです。
リベロの人選も重要です。
【19.2】服装
違うユニフォームを着用すること
ここは特に説明不要でしょう。
ビブスでリベロは、週末バレーの試合でよく目にします。
リベロがケガをした場合
リベロがケガをして続行できなくなった場合、リベロ登録されていない選手でもリベロ変更可能です。
その場合、できればリベロと同じタイプで、自分の番号のユニフォームを【可能であれば】着用してね、となっています。
全日本も万が一に備えて、リベロと同じユニフォームを準備しているのかな?
【19.4】新しいリベロの再指名
リベロがケガや失格などでプレーができなくなった場合、監督、またはゲームキャプテンがリベロを再指名できます。
再指名できる選手の条件
もちろん、再指名には条件があります。
- その時点でコートにいない
- リベロと入れ替わっていない
- キャプテンをリベロに再指名する場合、キャプテンはリーダーとしての権利を放棄する必要がある
記録
再指名された選手の番号を記録用紙の備考に記録する必要があります。
リベロが2人だったら?
リベロが1人残っている場合、再指名は認められません。
ただし、もう1人のリベロもプレーの続行ができなくなった場合、再指名できます。
これはリベロが退場、または失格の場合も適用されます。【19.5】
リベロコントロールシートを書こう
リベロの入れ替えを記録する、コントロールシートの書き方を解説します!
試合前
試合前に分かっている部分を記載していきます。
青枠はトスで決まるので、後回しです。
- 大会名
- 開催地
- 会場名
- 試合番号
- 男女別:該当する方に✕
- 開催日
- 試合設定時刻
- 対戦チーム(○枠は、トスの後に書きます)
トスの後
トスでコートが決まり、両チームのメンバー表も受け取れます。
試合前の準備を進めましょう。
○枠にABを記載
Aは記録する人から見てコート左側、Bはコート右側のチームを指します。
トスの結果、白チームは左側=Aコート、緑チームは右側=Bコートに決まりました。
リベロNoを記載
試合中
試合になると、忙しくなります。
入れ替えを記録
①得点と交替
試合開始時
B側は7番のリベロが6番と交替、コートに入ります。
2対4のスコアで6番がコートに戻っています。
A側は13番のリベロが10番と交替、コートに入ります。
5対3のスコアで10番がコートに戻っています。
②リベロ同士で交替の場合
リベロ同士の交替では、「交替」に記載しません。
10対8のスコアで、B側7番のリベロが6番と交替、コートに入ります。
11対8のスコアで、B側10番のリベロが7番リベロと交替、コートに入ります。
③得点は自分のスコアを左に記載
左側(=B)で23対20となっていますが、B側が23点です。
右側(=A)で20対24となっていますが、A側が20点です。
自分側を左に記載していくので、混乱しないように書きましょう。
再指名を記録しよう
リベロがケガや反則などでプレー続行ができなくなった場合、再指名ができます。
①得点部分
左側(=B)のリベロ10番が、9番に交替した場合、以下の様に書きます。
とも思いましたが、気にせず進めます
②リベロ情報
トス後に書いたリベロ情報の下にある「再指名:」にも記載します。
③特記事項
とどめに特記事項にも記載します。
最終セットはコートチェンジに合わせて
最終セット(≒5セット目)の場合、コートチェンジで位置を変えます。