試合で熱くなると、ついやってしまうオーバーネット。
個人開放などではあまりうるさく言われませんが、公式戦になるときっちり取られます。
基本はネットを越えてボールに触れたら反則ですが、オーバーネットしても反則ではない場合があるのです。
そのため部活経験者でも理解が曖昧な人がいる位です。
ルールを知らない方はもちろん、そうでない方も復習のつもりでチェックしてみてください。
アタックヒットを知ってますか?
オーバーネットを理解するためには、「アタックヒット」を知っておく必要があります。
ルールブックを確認しましょう。
13.1.1 サービスとブロックを除き、ボールを相手チームに送るすべての動作は、アタックヒットとみなされる。13.1.2 アタックヒットのティッピングでは、ボールが明確にヒットされ、つかんだり、投げたりしなければ許される。
13.1.3 アタックヒットは、ボールがネットの垂直面を完全に通過した時点、または相手選手に接触した時点で完了する。
公益財団法人日本バレーボール協会 2022年度版 バレーボール6人制競技規則
ラリー中、相手コートにボールを返すためのプレーはすべてアタックヒットです。
スパイクに限らず、オーバーやアンダーであっても、相手コートにボールを返す行為はすべてアタックヒットです。
この前提を頭に入れた上で、オーバーネットのルールをおさえましょう。
オーバーネットとは
アタックヒットさえ分かれば、オーバーネットは簡単です。
11.1.1 ブロックでは、相手チームのアタックヒットの前にそのプレーを妨害しない限り、ブロッカーはネットを越えてボールに触れることができる。11.1.2 アタックヒットを自チームのフリープレー空間で行った後に、その手がネットを越え、相手空間に入ってもよい。
13.3.1 選手が、相手チームのフリープレー空間内にあるボールをヒットしたとき。
14.3 ブロックでは、相手チームのプレーを妨害しない限り、選手は手と腕をネットを越えて伸ばしてもよい。しかし、相手チームがアタックヒットを行うまでは、ネットを越えてボールに接触することは許されない。
14.6.1 ブロッカーが相手チームのアタックヒット前に相手空間内にあるボールに触れたとき。
ネットを越えてはいけない
ネットを越えて、相手コートにあるボールを触れると反則です。
これだけなら簡単なのですが、例外が勘違いのもとなのです。
例外
ネットを越えてボールを触っても反則にならないケースがあります。
例外とはいえ、状況を考えれば不自然ではないので、しっかり頭に入れておきましょう。
スパイク
スパイクを打つ時点で自コートにボールがあれば、打った後にオーバーネットをしても反則ではありません。(11.1.2)
ブロック
ブロック時は、オーバーネットが許されます。(11.1.1)
ただし相手が攻撃をする前、いわゆるアタックヒット前のボールを触れると反則です。(14.3、14.6.1)
相手チームのトスがネットに近いと思ってブロックすると反則です。
では、トスが乱れて自コートに来るボールをブロックするのは反則でしょうか?
ケースブック
ゲーム中にありえそうなケースから、オーバーネットを理解していきましょう。
トスをブロックしても反則ではない場合
相手チームのトスが自コートに向かい、そのトスを打つアタッカーがいない場合、トスではなくアタックヒットとなります。
そのボールがトスなのかツーアタックなのか、瞬時に判断して対応する必要があります。
レシーブもアタックヒット
サーブやスパイクのレシーブが直接自コートに来る場合も、アタックヒット扱いです。
ダイレクトで来たら、オーバーネットでのブロックもOK!
のはずですが、よくオーバーネット取られます。
「オーバーネットじゃなーい!」などと審判と争うのではなく、オーバーネットをしないようにブロックしてます。
スパイクでのオーバーネット
スパイクの際、手や腕が相手チームに入った状態でボールや相手選手に触れたら、オーバーネットです。
図が雑すぎる・・・
スパイクでは当然のこと、フェイントでも反則です。
- 相手のレシーブをダイレクトスパイク!
- トスが相手コートに流れちゃった!
- カットが相手コートに流れそうなので、ジャンプトス!
などのネット付近のプレーは、焦らずに対応したいところですね。
ブロックでのオーバーネット
ブロックでもオーバーネットを取られますが、オーバーネットをして良い場合もあります。
ここをしっかり理解して、無駄な1点を献上しない様にしましょう。
【重要】アタックヒットへのブロックはオーバーネットOK!
重要なので、もう一度。
相手チームのアタックヒットに対しては、オーバーネットOK!です。
なので相手がスパイクを打ってくる場合、遠慮なくオーバーネットしてください。
ただし、タッチネットに気をつけて。
トスを邪魔しない
セッターによるツーアタックへのブロックは、オーバーネットOKです。
ただし、セッターのトスをブロックでオーバーネットして止める行為は反則です。
例えば速攻に対してコミットでブロックジャンプして、アタッカーが打つ前にボールに触ったら、オーバーネットです。
まとめ
私は基本、オーバーネットしてはいけないと思うことにしています。
ブロックはオーバーネットしても大丈夫という意識が先にあると、オーバーネットしがちだからです。
個人的には、タッチネット以上に避けられる反則だと思っています。
無駄な一点を取られないように、普段の練習で少し意識してみてはいかがでしょうか?