バレーボールのスコアシートをご存知ですか?
試合の得点経過やメンバーの交代、タイムアウトなどを記録する用紙のことです。
テレビで中継されるような試合ではもちろん、公式戦では必ず記録されています。
選手交代の時、待たされる場面を見たことはありませんか?
あれはスコアシートへの記載が終わるまで待たされている場合もあるのです。
部活はもちろん、我々週末バレーボーラーも、大会によってはスコアシートを書く場合があります。
しかし残念なことに、大半の方はスコアシートの書き方が分かりません。
ということでここでは、
慣れたら簡単!
でもちょっと面倒
なスコアシートの書き方を説明します。
例のごとく2023年度版ルールブックに付録で付いている「公式記録記入法」を参考にして説明します。
画像含め、変更がない部分は2018年度版のままです。
参考
リベロコントロールシートの書き方
トス前に基本情報を書き込もう
試合前、サーブ権を決めるトスをする時に、赤枠内の項目を書き込んでしまいましょう。
※青枠部分は、この時点では書けないため、後ほど記載します。
①スコアシート上部
- 大会名
- 開催地
- 試合番号
- 開催日
- 試合設定時刻
- 会場名
- 男女別:該当する方に✕
- 対戦チーム
この枠内で注意するのは、対戦チームの部分。
「(B) 青 対 赤 (A)」となっていますが、青枠の(B)と(A)はトスが決まった後に書き込みます。
この時点ではチーム名だけ書いておきましょう。
②審判員とサイン欄
- 審判員:主審、副審、スコアラー、アシスタント、ラインジャッジ(線審)
- 氏名:担当の名前
- 都道府県:担当の都道府県
ちなみに青枠のサインとチームキャプテンについては、試合終了時に書きます。
③チーム情報
試合をするチームの情報を書きます。
ここでも(A)(B)の記載は保留です。
- チーム名
- 番号:選手の背番号。キャプテンに〇がついています
- 氏名
- チームキャプテン
- 監督
メンバー表は省略可能?
私がスコアをやった限りの話ですが、メンバー表を書いたことはありません。
基本、各チームでメンバー表を1枚書いて提出し、1試合目にそれを貼り付けますが、2試合目以降は何も書かずに済ませるパターンがほとんどでした。
いちいち書くとしたら時間がかかり、限られた時間内に試合ができなくなることもあるので、1枚あれば十分という判断なのでしょうね。
トスが終わったら
サーブ権が決まったら、試合が始まるまでに残りの部分を書きましょう。
①チーム名とコート
チーム名とコートが決まります。
Aは記録する人から見てコート左側、Bはコート右側のチームを指します。
トスの結果、赤チームは左側=Aコート、青チームは右側=Bコートに決まりました。
第1セットの部分は、A、Bはもちろん、チーム名も書いてください。
その他の部分はA、Bを書きます。
②サーブスタートかレシーブスタートか
第1セットの部分、チーム名の横に小さく(S)と(R)があります。
これはSがサーブスタート、Rがレシーブスタートという意味です。
ここではSに✕がついている赤チームがサーブ権を取ったことになります。
③メンバー位置
ⅠからⅥまでの数字が並んでいますが、これは以前触れたポジション番号です。目玉を参考にサーブ順に背番号を入れていきます。
ここまで書き終えれば、試合を待つだけです!
試合開始から終了まで
試合が始まると、一気に忙しくなります。
気を抜かずにやっていきましょう!
1セット目の開始から終了まで、試合経過を追いながら順を追って説明していきます。
①最初のサーブ
赤チーム8番が最初のサーブを打つ際の時間を、開始時間に記入します。
それと同時に、サーブのチェックも入れます。
②サーブチェック
ローテーションがサーブに回ってきたタイミングで、サーブを打つプレイヤーのチェックをします。
赤チーム8番がサーブを打ったので、赤チーム8番の「サービスのチェック欄」1回目の数字にチェックを入れます。
③得点
点を取ったチームの得点欄にチェックを入れます。
1セット目最初の得点は、赤チームに入ったことになります。
ところで、シートの得点欄をよく見ると〇で囲まれている得点があると思います。
これは、
相手チームの不法な行為に対する罰則で得た得点は、”得点”欄のその得点を〇で囲む。
公益財団法人日本バレーボール協会 2023年度版 バレーボール6人制競技規則
ということです。
※罰則についてのスコア記載方法は、後ほど。
④サーブ権移動
赤チームがさらに1点取った後、青チームが得点を取りました。
赤チーム8番のサーブが終わったことと、それまでの得点をチェック欄に入れます。
レシーブ側最初のサーブでの注意点
さらに青チームのサーブになるので、サーブチェックも入れます。
青チーム3番のサーブは6番目となるので、サーブチェック1の部分には×を入れます。
普通に得点を重ねる限り、この繰り返しです。
⑤選手交代
赤4点:青2点のタイミングで、青チームが選手交代をしました。
6番から4番に交代です。
6番から4番に変わったので、6番の枠の下に4と書きます。
交代チームの得点を左側に
その下段は得点を書くのですが、左側に交代チームの得点を書きます。
この時点では青チームは2点なので、左側に2、右側に4と書きます。
交代して戻る場合
上で交代した6番は、赤15点:青16点のタイミングで戻っています。
この場合4番に丸印をつけ、戻ったタイミングの得点を記入します。
交代して戻らない場合
交代後、そのままでセット終了まで行った場合は特に変更ありません。
赤7点:青7点のタイミングで、青チームは3番を12番に交代。
セット終了まで出続けています。
⑥タイムアウト
赤10点:青10点のタイミングで、赤チームがタイムアウトをしました。
タイムアウト欄に得点を記入します。
セット終了後のスコアを見てみましょう。
このスコアを見る限り、その後も
- 赤13点:青14点で青
- 赤16点:青20点で赤
- 赤23点:青21点で青
といったタイミングでタイムアウトしているのが分かります。
⑦セット終了
赤25点:青23点で1セット目が終わりました。
まず、終了時刻を記載します。
次に得点欄を締める意味で、取っていない得点に線を入れます。
さらに最後のサーブ時の得点を〇で囲みます。
2セット目は、赤チームと青チームが逆になるだけでやることは変わらないので、割愛します。
フルセットになったら
この試合はフルセットになったため、3セット目の記録をする必要が出ました。
ここでは3セット目も25点マッチですが、15点であっても基本は同じです。
フルセットでの違いは、コートチェンジ後は記載位置が変わる点です。
コートチェンジ後
青チームが左側コートで試合開始。
青チームが12点のタイミングで、コートチェンジが発生しています。
(スコアは赤13点:青12点ですね)
その際、青チームのスコアも移動します。
コートチェンジ時の得点を入れ、交代やタイムアウトの記録は12点までの状況を記載します。
コートチェンジ前の得点
コートチェンジ前に取った得点は、1本線と最後に横棒を入れます。
従って、コートチェンジ直後の青チームは、以下の状況になっています。
警告・罰則
試合中にメンバーが警告や罰則を受けた場合、スコアシートに記録する必要があります。
警告と罰則の記録方法を確認しましょう。
①不当な要求
審判員が拒否するような不当な要求をチームメンバーがした場合、「不当な要求」欄内に×印を付けます。
ここでは、チームBが不当な要求をしています。
②警告
審判が軽度な不法な行為に対する警告をした際、スコアシートに記載します。
ここでは、Bチーム背番号1の選手が、1セット目の18-15の時点で警告を受けています。
③警告後の反則
Bチーム背番号1の選手は、警告をされたにも関わらずまた不法な行為をしたようです。
画像では2セット目の11-12でやっており、Aチームに得点が付与されます。
スコアに罰則時の得点を書く場合、左側に罰則対象のチームの得点を書きます。
従って、
Bチーム:11-12:Aチーム
という書き方をしています。
罰則で得点した場合、○で囲みます。
④反則
2セット目16-14で、Aチーム背番号6が不法な行為をして反則をしました。
Aチーム:16-14:Bチーム
と記録します。
⑤遅延行為の警告
3セット目の4-5でAチームの誰かが遅延行為の警告を受けました。
ここでは警告だけなので、スコアシートへの記録のみです。
⑥遅延行為の罰則
3セット目の19-20でAチームの誰かが遅延行為の罰則を受けました。
スコアには、
Aチーム:19-20:Bチーム
と記録します。
試合終了
赤チームが勝利しました。
試合結果を記載する必要があります。
記載内容は簡単ですが、キャプテンや審判を呼ぶ必要があります。
①サイン
主審、副審とスコアラーのサインを書きます。
でもまず先に、それぞれのチームキャプテンを呼んで、サインを書いてもらいましょう。
特に負けたチームはすぐにコートから消えてしまいがちなので、後で呼ぶのが大変な場合もあります。
②試合結果
試合結果を記載します。
- チーム名とA/B
- タイムアウト回数
- 選手交代回数
- 勝:勝ちセットは1、負けセットは0
- 得点
- セット(時間):かかった分を記載
- 試合開始時間
- 試合終了時間
- 試合所要時間
- 勝利チーム、セット数
これで終了です。
お疲れ様でした!